疾患と治療

眼瞼下垂

眼瞼下垂とは

年をとるとまぶたが下がってきてしまいます。目は開いているが皮膚がたるんでくるものや皮膚は弛んでいないが目が下がってくるものがあります。

また、長期間のハードコンタクトレンズを装用している場合には若い方でもまぶたが下がってくる場合があります。

ときに、神経の病気などでまぶたが下がってくることもあるので、そのような病気が疑われるときはMRIでの精査や神経疾患、代謝疾患等の有無の精査が必要です。

当院の眼瞼下垂手術

眼瞼下垂手術眼瞼下垂の治療法としては、皮膚がたるんでいるだけのものは皮膚を切除するだけでよいですが、まぶたを上げる筋肉が弱ってまぶたが下がっているものに関しては筋肉を縫い縮めて強くする手術などがあります。

当院では、いずれの場合も炭酸ガスレーザーを使用して手術を行います。以前は、通常のメスで手術を行っておりましたが、まぶたは血管が豊富なため手術の時には出血が多く、こまめに止血しながら手術が必要です。それでも術後は皮下出血が起こり、1,2週間はまぶたが腫れることが度々起こりました。炭酸ガスレーザーでは接触することなくレーザーで切開が可能なため、ほとんど出血しないで手術が可能です。出血しないため手術もしやすく短時間で手術が可能となり、術後の腫れを軽減することが出来ます。

また、腫れぼったいまぶたの方は皮膚が厚く、手術をしてもどうしてもはれぼったさが残ってしまいます。腫れぼったいまぶたの方には目は開くようにはなりますがくっきりしたまぶたにする、というのは困難ですのでご理解下さい。

当院では保険診療で手術を行っております。目が開きにくくて視野が狭い、見にくい、目を開けようとして辛い、肩が凝る、などの症状がある方にのみ手術を行っております。 美容目的の手術は行いませんのでご了承下さい。

眼瞼下垂手術の術前・術後比較
  • 術前
    手術前
  • 術後
    手術後

手術をお考えの方へ

手術してまぶたが閉じなくならないか、左右の目の大きさが違ったりしないか、とのご質問をよく受けます。
基本的に手術中にまぶたの上がり具合を確認しながら手術を行い、左右差があったり、まぶたが不自然であったりすれば何度も調整しますので、術後にまぶたが閉じなくなることはありませんが、左右の目の大きさを全く一緒にするというのは困難です。そこが気になる方には手術はお薦めしません。
やらないといけないという手術ではありませんので、よく検討されてから手術をすることをお薦めします。

手術までのスケジュール

手術申し込み
当医院では白内障手術は全て日帰りでおこなっています。通常は2,3ヶ月待ちくらいです。 手術前には手術に際し体の病気が影響しないかどうかなど内科等の医師に問い合わせをさせて頂く場合があります。
術前説明
ご家族と一緒に手術の説明を行います。
まぶたが上がると顔貌が変わります。分かりやすく言うと、「目がたれている」というのは「やさしい穏やかな」印象を与えますが、「目元がくっきり」すると「顔がきつくなった、恐くなった、感じ悪くなった」という印象を与えることがあります。また、本人よりも周りの方が慣れない顔に変わるためか、「なんか変」「前の方が良かった」などと言われることもあります。
この手術はやらないといけない手術ではありません。まぶたが下がって視界が狭くなる、目を開けようと頑張るため疲れる、等症状が強い方が上記のように顔貌が変わってでも症状を取りたい、と考える方には良いかも知れません。
また、当院では保険診療で手術を行っていますので、美容目的では手術は行っておりません。
手術当日・手術後(術中のビデオ供覧)
手術は片眼30分ほどで終了します。片眼の時は眼帯をして翌日の腫れを抑えます。同日に両眼手術をご希望される方は片眼のみ眼帯を行います。
手術後は翌日、翌々日、1週間後、2週間後(抜糸)、1ヶ月後、と定期検査を行います。術後数日は洗顔は控えて頂きます。縫合部からの感染や縫合部が開いたりするのを防ぐためです。炭酸ガスレーザーを使用しても手術後眼瞼の腫脹はありますので時間と共に減っていきます。大体1ヶ月~3ヶ月くらいで自然な状態になります。

合併症について

まぶたを上げる筋肉が弱い方は術後十分にまぶたが上がらないことがあります。
また、上記のように左右の目の大きさがやや違うことがあります。 レーザーメスでの手術なので基本的にはさほど出血しませんが、ワーファリン等の「血が止まりにくくなる薬」を服用されている方は術後皮下出血が生じやすいです。その際、目の周りが黒くなりますが大体1,2週間ほどでなくなっていきます。